トマトは美白効果がある食べ物であることは、美容マニアには浸透しきった常識かもしれません。
でも実は、トマトには美白効果以外にもたくさんの美肌効果があり、しかも即効性が期待できること、ご存じでしたでしょうか。
トマトの驚異的美肌パワーを知れば、あなたもきっとすぐにスーパーに走りたくなるはずです。
そして、買い占めることでしょう。
トマト缶を。
え??「トマト」ってそっちのこと??
目次
トマトの「赤」は抗酸化効果の証
トマトには
- βカロテン
- ビタミンC
- ビタミンB2
- リコピン
など、美肌に効果的な多くの成分が含まれています。
その中でも「リコピン」という成分が今回の話の主役です。
「リコピン」とは、トマトの赤い色素成分のこと。
トマトの果実が熟する過程でリコピンが生成して、トマトは緑色から赤色に変化します。
リコピンはカロテノイドという黄色、橙色、赤色などを呈する天然色素のうちの赤色成分物質です。
じつは熟す過程で、リコピンのほかに橙色のβカロテンや黄色のルテインという色素も生成されます。
でも、トマトはリコピンを多く生成する特徴があるため、トマトは熟すと赤色になるんです。
※黄色のプチトマトをスーパーで見かけると思いますが、あれは品種改良によって作られたトマトで黄橙色を呈するリコピンを含んだトマトであり、リコピン含量が少ないわけではありません。
カロテノイドは多くの光合成植物が保有している色素の総称です。
カロテノイドにより着色している植物は多岐にわたり、緑黄色野菜やひまわり、みかんやとうがらしなどもそれらによる着色です。
これらは、天然色素で自身を色付き鮮やかに魅せているわけではなく、太陽光から自身を守るために着色しているのです。
トマトが赤く色付くのは15℃以上の気候になってから。
強い太陽光からの攻撃をリコピン生成によって防御しているのです。
ちなみに、人間は「メラニン」という色素を体内合成しており、その数や質によって肌の色、髪の色、目の色に個人差があります。
そして皮膚における「メラニン」の役割は、紫外線からの防御です。
トマトも人間も同じです。
太陽の恩恵を受けて生命活動を維持しているのですが、恩恵を受けすぎると害になります。
だから、体内で色素を合成して、自分の身を守るのです。
カロテノイドは植物が紫外線を受けることで発生する活性酸素から自らの身を守るために生成している抗酸化物質です。
人間がそれを摂取した場合、体内でも同様の抗酸化作用を発揮し、細胞の保護などの働きをします。
つまり、リコピンも強い抗酸化作用を示すため、トマトを食べるとカラダにいいことがたくさん起きるというわけです。
「リコピンの抗酸化能力はビタミンEの100倍!!」はうまくできたキャッチコピー
「リコピンの抗酸化能力はビタミンEの100倍」というフレーズがだいたいどこの美容サイトでも使い回されています。
このフレーズの出所は不明ですが…
これは、「リコピン」という抗酸化物質を売り出すための巧みな演出効果です。
ビタミンEが様々な有益な効果をもたらす抗酸化物質であることは皆さま周知の事実。
それの100倍って聞いたらどう思いますか??
そりゃ飛びつきますよね。消費者としては。
でも、これは「罠」です。
いや、もとい「巧みな演出」です。
リコピンとビタミンEはどちらも身体に有害な影響を与える活性酸素に対して攻撃を行う抗酸化物質です。
しかし、攻撃する活性酸素の相手が違うのです。
専門用語で言うならば。
リコピンは「一重項酸素」という活性酸素に攻撃する抗酸化物質。
ビタミンEは「過酸化脂質ラジカル」という活性酸素に攻撃する抗酸化物質。
うがい薬のイソジンと、キズ薬のマキロンみたいなかんじ??
どちらもバイ菌から身を守るために使用する消毒殺菌剤であることに変わりありません。
でも、使用用途が違いますよ。
そりゃそうです。
戦う「バイ菌」が違うからです。
リコピンとビタミンEも、戦う「活性酸素」が違うのです。
だから、リコピンが戦う「活性酸素」に、ビタミンEが戦いを挑んでも負けるわけです。
つまり、リコピンが抗酸化効果を100%発揮する「活性酸素」に対して、ビタミンEは抗酸化効果をほとんど発揮できないのです。
ほぼ0%の効力です。
「リコピンがビタミンEの100倍!!」
というのは、こういうからくりによるものなのです。
消費者の関心をギュッとつかむためのよくできたキャッチコピーではありますが、リコピンにも「一重項酸素」という活性酸素を消去する立派な抗酸化効果があることはまぎれもない事実です。
トマトはこうして身を守るわけですから。
となると、この「リコピン」を人間が摂取した場合はどんなに素晴らしい美肌効果があるのかっていう本題に移りたいと思います。
「リコピン」の計り知れないパワー
リコピンの生体への有益な効果を懸命に追究されているのは、やはり、トマト加工品を製造販売している企業ですよね。
トマト関連商品国内トップシェアを誇るKゴメさんは、実に熱心な研究に取り組んでおり、リコピンと生活習慣病についての関連性や、リコピンと美肌・美白についての関連性について、HPでも様々な研究成果を発表しています。
美肌に関する効果を箇条書きにしただけでも、ほら、こんなに!!
- メラニン生成抑制(しみ予防)
- コラーゲン産生促進(たるみ・しわ予防)
- 紫外線による炎症抑制(日焼け予防)
- 角質層状態の改善(キメ改善)
- 花粉症自覚症状の改善(花粉症ストレスの予防)
- アトピー性皮膚炎の炎症抑制(バリア機能強化)
リコピン研究の歴史は浅く、今後の更なる研究から新たな知見が得られることが期待されている機能性成分のひとつです。
人での臨床試験や動物実験においては、8~12週間の短期間のリコピン摂取で上記に述べた美肌効果が証明されています。
トマトを食べれば、化粧水1本使い切る頃には美肌になっていると思うだけで、ウハウハが止まりませんね。
「リコピン」を上手に摂取するのが美肌の近道
では、どのくらいの量のトマトを食べれば美肌効果が期待できるのでしょうか?
各種研究結果から導き出された美肌効果を得るためのリコピン量は1日あたり15㎎と言われています。
★リコピン15mgを摂取するためには★
- トマト 約500g(Lサイズ2玉)
- プチトマト 約250g(約15~20個)
- トマトピューレ※1約100~150g※2
- トマトジュース 約160~190g※2
※1 ホールトマトやカットトマトを缶や紙パックに充填した商品はこれに当たります。
※2 YOU-MIX調べ。商品によりリコピン含有量は異なるため、摂取必要量については商品に記載されている栄養成分表示よりご確認ください。
セレブリティなレディーであれば、トマト2玉を毎日の料理に使うことをいとわないでしょう。
しかし、1玉100円前後する食材を毎日2玉×30日分となると…
1か月のトマトコストが6000円前後!!
さすがにそれは、コスパ悪いです。
ここで役立つのが、なんと!!
トマト加工品であります。
トマト加工品とは、いわゆる
- トマトケチャップ
- トマトピューレ
- トマトペースト
- トマトジュース
- トマトソース
などのこと。
「加工品」と聞くと、オーガニックとかロハスとかに敏感なナチュラル志向の方々は眉をひそめがちですが、トマト加工品は生トマトよりも「リコピン」含有量に優れているのです。
トマト加工品に使用されるトマトは、加工用トマトと呼ばれ、一般的にスーパーなどで並んでいる「生食用トマト」とは、品種も栽培方法も異なります。
また加工用トマトは、収穫したその日に加工します。
そのため、収穫のタイミングは真っ赤に色づく完熟時。
栄養価が頂点の時にもぎ取って、熱処理や調理工程を経て、ギュギューっと瓶詰め・缶詰め・紙パック詰め・アルミパウチ詰めなど、トマトギューギュー詰めの加工品に生まれ変わるのです。
また、加工用トマトには「使用するトマトのリコピン含有量が7㎎/100g以上」であることが製品規格として農林水産省により定義されています。
だから。
加工用トマトの収穫時の栄養価は、生食用トマトと比較すると…
- リコピンは約3倍
- β-カロテン・ビタミンCは約2倍
- 食物繊維は約1.5倍
も多く含まれているそうです。
もっとも、加工品になる最中で熱処理過程が加わるため、熱に弱いビタミンCは破壊されてしまいますが、リコピンは熱に強いため加工品になってもなんら問題なく製品中に存在しています。
ちなみに、ホールトマト、カットトマト、トマトジュース製品など加工品のリコピン量は、栄養成分表示欄にきちんと記載されているので確認可能です。
ホールトマトやカットトマトを使ってソースやスープ作る場合、150~200gくらいすぐ使ってしまいますよね。
そうすると、もうこれだけで余裕で1日の美肌摂取量をまかなえちゃいます。
ビバ!
ホールトマト!!
ちなみに一番お手軽なリコピン摂取方法はトマトジュースかと思われます。
何せ1日コップ一杯飲んでおけば、リコピン15㎎はクリアしますので。
しかし、私はトマトジュース苦手なんですよね。
生トマトもトマト料理も大好きなんですけど…
一番のお手軽品が一番苦手…
だから。
「リコピン」の摂り方は人それぞれ!!
ナチュラル志向の方やセレブリティ―は生トマトの調理に工夫を凝らせばいい。
毎日リコピン確実に摂りたい方はトマトジュースから。
美肌を夢見てトマトを食せば、あなたのお肌にリコピンのチカラはきちんと宿ります!!
「リコピン」レシピ
リコピンを効率的に摂取するならトマト加工品ということがわかりました。
でも、生トマトも食べ方によって、リコピン吸収を高めることができるのです。
リコピンは油に溶ける性質を持っているため、トマトを食べる時は油分も一緒に摂取しましょう。
ドレッシングやマヨネーズとともに。
また、加熱調理すると吸収率がアップします。
加熱することによって、トマトの細胞壁が壊れてリコピンが溶け出すからです。
加熱時間が長ければ細胞壁破壊も進みます。
だから、生トマトは煮込めば煮込むほど、リコピン摂取量UPにつながります。
身体が冷える冬は、生トマトはトマト鍋やミネストローネなどに活用すると効果的です。
食欲が失せる暑い夏は、生トマトのみずみずしさを生かして、角切りトマトをたっぷりのせた牛しゃぶサラダなどいかがでしょうか。
暑さに負けない身体づくりのためにも、生トマトのさっぱりとした食感と鮮やかな彩りで食欲を掻き立てて、しっかりタンパク質も補給するように心がけてください。
さいごに
リコピンは体内で作り出すことのできない物質のため、口から摂取しなければどうしようもありません。
だから、食事から摂ればいいのですが、体内に蓄えておけるリコピン量は人それぞれで、一度に大量摂取しても無駄になるだけです。
身体の酸化を抑えるためには、リコピンを毎日とは言わないまでも、継続して摂り続けることが大切です。
リコピンは、トマト以外にも柿、スイカ、ピンクグレープフルーツなどの果物にも多く含まれています。
「美肌のために毎日15㎎~!」
と躍起になると、逆にストレスになり活性酸素が大量発生してしまい、せっかく摂ったリコピンを浪費してしまうことになりかねません。
サラダ、ソース、スープなど工夫をこらせば、毎日でも食卓に並べられる栄養満点のトマト。
摂取量にこだわりすぎず、でもちょっと計算とかもしちゃったりしながら、美肌を夢見て効果的にリコピンを摂取してみてください。
美肌は1日にしてならず!